早稲田大学国際文学館村上春樹ライブラリー
The Waseda International House of Literature (The Haruki Murakami Library)
村上春樹氏から寄託・寄贈を受けた資料を中心とした、研究・情報発信・交流施設です。村上氏の要望である【生きたライブラリー】というテーマのもと、誰もが集う【文学の家】を目指して早稲田キャンパス旧四号館をリノベーションしました。
村上氏の文学にしばしば登場する【世界を行き来する通路】を建築的に解釈して、木でできた【トンネル】を建物のエントランスと内部の中心に挿入することで、【なんでもない建物】を特別な場所へ変えることを試みました。
【トンネル】は西側メインエントランスからカフェのある西側に流れ、木陰をつくる【庇】となって最後は空に向かって消えていきます。【トンネル】はアコヤという耐候性のある木材でつくられており、経年変化し周囲の植栽の成長に合わせて少しずつこの場所になじんで行きます。
内部の中心となる吹き抜け階段は、本に囲まれた場所であり、ここでは村上氏から影響を受けた作家たちが厳選した書籍を手に取ることができます。この場所は同時に、生きたライブラリーを体現するための様々な講演会やワークショップのための会場となっています。その他にも、村上氏の世界中で翻訳された書籍を集めたコーナーや寄贈されたレコードに耳を傾ける音楽の部屋、オレンジキャットと名付けられたカフェ、仕事場を再現したスペースなど、村上春樹ファンの聖地となるような建物です。
2021
用途:大学施設(カフェ、ギャラリー、オフィス)
場所:東京
建築面積:459㎡
延床面積:2,111㎡
写真:川澄小林研二写真事務所
function:University (café, gallery, office)
site: Tokyo
building area:459㎡
total floor area: 2,111㎡
photo: Kawasumi Kobayasi kenji Photography Office
※隈研吾建築都市設計事務所での担当作品











